<Header>
<Author: 駱賓王>
<Title: 宿溫城望軍營>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 溫城に宿して軍營を望む>
<BookPage: 260>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
虜地寒膠折，
邊城夜柝聞。
兵符關帝闕，
天策動將軍。
塞靜胡笳徹，
沙明楚練分。
風旗翻翼影，
霜劍轉龍文。
白羽搖如月，
青山斷若雲。
煙疎疑卷幔，
塵滅似銷氛。
投筆懷班業，
臨戎想顧勳。
還應雪漢恥，
持此報明君。
<End Poem>
<Translation>
北方蠻族の住むこの地方では膠も凍って折れるという寒さのきびしさ。このときに乗じて彼らの侵略してくる危險が多いので油斷がならない。國境にあるこの町では夜になると非常をいましめる拍子木の音が聞こえる。ここを守る將軍は朝廷から兵馬の權をまかされ、國策を遂行する重大な任務をぅけたまわっている。要塞は靜まりかえっていて、胡笳のしらべがひびきわたり、沙漠が白々と反射して、兵士の着ている練ぎぬの外套もよく見える。風をはらんだ旗がひるがえり、霜と冴えた劍にぎちぎらと龍の模様が走っている。白羽の扇を動かして指揮するのが月のように見え、青山は遠くにつらなって、そのはては千切れて雲のようにぼやけている。きれぎれにたなびく靄は幔幕を巻いたかと疑われ、砂塵もあがらず戦亂の氣も消えうせたかと思われる。目のさきの光景からいえば、まことに平和が到來しているかのようだ。しかし、ほんとうにそうであろうか。自分は文筆を投げすてて後漢の班超のように異國におもむいて大功をたてたい意思はある。またすくなくとも國内において軍をひきいて、かの天下をねらぅ亂賊を鎮定した晋の顧榮のような勳功を望んでいる。それというのも、國境地帶に對する北方蠻族のほしいままな侵略を坐視することができないからだ。侵入者を徹底的に撃滅して、わが國辱をそそぎ、それによってわが聖天子の御恩にむくいようではないか。
<End Translation>
<Formatted Translation>
北方蠻族の住むこの地方では膠も凍って折れるという寒さのきびしさ。このときに乗じて彼らの侵略してくる危險が多いので油斷がならない。
國境にあるこの町では夜になると非常をいましめる拍子木の音が聞こえる。
ここを守る將軍は朝廷から兵馬の權をまかされ、國策を遂行する重大な任務をぅけたまわっている。
要塞は靜まりかえっていて、胡笳のしらべがひびきわたり、
沙漠が白々と反射して、兵士の着ている練ぎぬの外套もよく見える。
風をはらんだ旗がひるがえり、
霜と冴えた劍にぎちぎらと龍の模様が走っている。
白羽の扇を動かして指揮するのが月のように見え、
青山は遠くにつらなって、そのはては千切れて雲のようにぼやけている。
きれぎれにたなびく靄は幔幕を巻いたかと疑われ、
砂塵もあがらず戦亂の氣も消えうせたかと思われる。
目のさきの光景からいえば、まことに平和が到來しているかのようだ。
しかし、ほんとうにそうであろうか。自分は文筆を投げすてて後漢の班超のように異國におもむいて大功をたてたい意思はある。
またすくなくとも國内において軍をひきいて、かの天下をねらぅ亂賊を鎮定した晋の顧榮のような勳功を望んでいる。
それというのも、國境地帶に對する北方蠻族のほしいままな侵略を坐視することができないからだ。
侵入者を徹底的に撃滅して、わが國辱をそそぎ、それによってわが聖天子の御恩にむくいようではないか。
<End Formatted Translation>